本論文では、意味情報(POIやタグ)を含まない生のGPSデータのみから、都市内での「エリアの使われ方」と個人の「行動パターン」を学習し、その人の職業やライフスタイルを推定する新フレームワーク「ArLPH(Area-aware Life Pattern-based Human modeling)」を提案しています。
論文「Unveiling Human Attributes through Life Pattern Clustering using GPS Data Only」というタイトルで、GPSデータを使って人々の生活パターンをクラスタリングするためのフレームワーク「LPSeL」を提案しました。LPSeL は、GPSデータから都市空間におけるエリアごとの特性を抽出し、それに基づいて人々の行動パターンをモデリングする手法です。この手法によって、緯度・経度・タイムスタンプのみから構成されたGPSデータから、例えば「オフィス勤務者」や「商業エリアの店舗スタッフ」といった職業属性の推定が可能になります.また、休日は「休日はインドア派」や「週末に仕事が多い人」といった、生活スタイル属性の抽出も可能です。本研究は、位置情報の持つ可能性を最大限に引き出し、自治体の政策立案からマーケティング戦略まで、都市の様々な場面での意思決定に役立つものだと考えています。
人の移動パターンに基づくエリア埋め込みの加法的構成性
論文「Additive Compositionality in Urban Area Embeddings Based on Human Mobility Patterns」というタイトルで、エリア埋め込みの算術演算に関する手法を提案しました。エリア埋め込みとは、GPSデータから都市の各エリアの移動傾向(昼に人が集まるオフィスエリア、休日に人が集まるエンタメエリアなど)をベクトル空間にマッピングする手法です。本研究では、このエリアごとのベクトルの足し算や引き算によって、エリアの形状の変換や、エリアの傾向の変化を捉えることを提案しています。特に各エリアの移動傾向の変化を捉えることで、都市政策や店舗の出店の効果の比較や、似た変化が起こった地区を探すことができ、都市計画や出店戦略に役立つものになっています。
複数都市における次の行き先予測手法
Human Mobility Prediction Challenge workshop(人の将来の移動軌跡予測の精度を競うコンペティション)において、論文「HuMob Challenge : Multi-City Next Location Prediction Method using Time-series Stay Frequency Tendency」というタイトルで、庄子・田村が所属する研究室の後輩が発表を行いました。コンペには、世界中から100チーム以上のエントリーがありましたが、昨年に引き続き我々のチームが優勝しました。 来年は、本会議にて行われる GIS CUP にて Humob Challenge が開催されるそうで、そちらにも参加予定です。